能装束の織り見て

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  • 2009/12/22(火)
  • 能装束の織り見て

 今年の展覧会で忘れられないのが山口安次郎能装束展でした。作品に圧倒させられた訳は、能装束の様式を守りながら奇抜で大胆な表現ですが、その細部を見ていくと、実は織り全体の色調や構図が厳正に踏まれ、さらに1本1本の絹糸を覗くと、染色までこだわっていることがわかります。おととし百五歳で亡くなられた山口安次郎さんは、九十年あまりが織り人生。日々織りに没頭しながらも“晴耕雨「織」”の生活を貫徹、農作業でも有機肥料にこだわっていたそうです。
その作品に驚嘆しながら、到底真似できない全力投球をする方なのだと思いました。高い目標とは織り上がった1枚1枚の衣装のように、地道な積み重ねが1回1回の織り込みのように…。今年の自分を振り返ると、つい手間を省いて仕上げに焦ること多し。来年はコツコツ取り組むことを抱負に。  ~スタッフ奈乃~